この記事では「同じプログラムを繰り返す意味とバランス」ということで、繰り返し同じことをする意味と子どもの気持ちとのバランスについて考えていきましょう。
1繰り返しとバランス
療育プログラムを繰り返し反復することで定着し般化に繋がるのですが、出来るようになるまでそれ一択でいいのか?と言うと、それだけだと飽きてしまって、思うような効果は期待出来ません。
それではもっと具体的に、項目ごとにまとめていきましょう。
1-1 プログラムを繰り返す意味
この章の冒頭でも触れているように、反復することで慣れてきて、定着していきます。そしてそれが自身の一部として般化していくと考えています。
同じプログラムを繰り返す中でも、スタッフの視点によって焦点を当てる部分が変わってきたりしますし、子どもの状態によっても同じことが言えると思います。
つまり、同じプログラムをしていても「別の課題にトライしている」状態を作れるということです。プログラムのルールや内容は子どもにも浸透しているので、スムーズ課題に取り組むことが出来るでしょう。
では、その時子どもはどうなっているのでしょうか?次の項目で見ていきましょう。
1-2 子どもの気持ちとのバランス
そのプログラムが子どもにあっている場合や子ども自身が必要性を感じている場合は「飽き」よりも「楽しみ」や「使命感」が強くなります。私の経験だと持っていき方によっては、宿題などはそうなりやすい傾向にあります。
同じプログラムを繰り返す中でも、子どもの状態によってアプローチの角度を変えたり「今の状態での課題」に焦点を当てることで、学びの機会を増やすことができます。
例えば、先ほど例にあげた「宿題」ですが、目標を「宿題を終わらせる」だけでは非常に勿体ないです。
①時間までに終わらせる(時間の感覚)
②その間座ってられる(姿勢)
③遊びたいのを我慢して出来た(褒める)
④時間がかかっても丁寧に(完成度)
など、色々なアプローチが出来ます。「宿題を終わらせる」と言うところは初期の導入目標としては有りですが、いつまでもそのままでは意味がなく、その中で何を学べるかが重要になってくると考えています。
ただ、これを全部一度に言ったらどうでしょうか?私でも「うわー、しんどい」「いやだー」となってしまいそうです。
好きではないプログラムや得意では無いものに関しては、このように上手くはいかないこともあるので、バランスを取りつつ「なんとかやらせる」だけでなく「負荷をかけ過ぎないけど、逃げてない」ような状態を作ることが必要になってくるでしょう。
2 まとめ
さて、ここまで「同じプログラムを繰り返す意味とバランス」について、特に「繰り返す意味」と「子どもの気持ちとバランス」について考えてきましたが、いかがだったでしょうか?
繰り返すことの必要性が分かっていても、子どもの気持ちとのバランスの取り方こそが繰り返す事を支えている重要なポイントだと分かって頂けたと思います。
「やればやるだけ効果が出る!」のが理想ではありますが、現実はそこまで甘くはないので、子ども達に必要以上の負荷をかけずに、出来る限り上手く導いてあげられる事業所を作っていけるように、私達も日々成長していきましょう。