この記事では、療育を「北風と太陽」から学ぼうということで、子どもに対する接し方、特に「声掛けの仕方」について考えていきましょう。
1 療育における「北風と太陽」とは
療育において子どもに声掛けする場面をあげるとキリがありません。怪我や命の危険があるなどの緊急性が伴う場合はまた別として、基本的には太陽のような支援をおこなうべきだと考えています。
1-1 北風の過ち
北風は強引に旅人のコートを吹き飛ばそうと強風を吹き付けましたが、その行動よりも最大の過ちだったのは「旅人の気持ちになれなかった」ところにあります。
自分の理論や考え方が如何に正しく、目的が伴っていても、それを伝える時にどういう言い方をするか、どう表現するかによって結果は変わってくるものです。
旅人のコートを脱がすという目的があった場合、強風で吹き飛ばすのは理にかなっていますし、間違いとは言いきれません…しかし、それは対象に感情が無い場合だけです。
実際に旅人になってみたら10人中10人が同じように、コートのボタンを閉め、絶対に飛ばないようにするのでは無いでしょうか?
声掛けも同じで、子どもの気持ちを考えずに高圧的に強引な声掛けをしても、子どもは心を閉ざしてしまいます。せっかく正しいことを正しいタイミングで伝えていても響かないんです。
では、太陽になるにはどうすればいいのでしょうか?
1-2 太陽の効果
療育における声掛けの基本は、穏やかにポカポカと照らすことで旅人を誘導した「太陽のような声掛け」が望ましいと考えられます。
まずは子どもが心を開いて聞く耳を持つことが重要になってきます。もちろんタイミングや目線、環境などの技術的な要素はありますが、それはまた別の機会にしておきましょう。
子どもの気持ちになってみると、自己肯定感を高めつつ、楽しみながら過ごせる環境が「子どもの居場所」になっていくと思います。
声掛けは最も身近なコミュニケーションツールであり、信頼関係を築くのに必要不可欠な要素の1つです。
2 まとめ
さて、ここまで「北風と太陽から学べる声掛け」ということで、療育の中でも、特に声掛けについて考えてきましたが、いかがだったでしょうか?
今回記事にした考え方はあくまでもベースの考え方で、前章の冒頭でも書いている様に場面によっては逆に違う対応をすべき時もあります。
また、支援者やのキャラクターや役割分担などを重視する事業所、また子どもの特性によっては、全員が同じタイプでは成り立たない場合もあります。
実際の子ども達や環境にあった療育をおこなえるように、日々子ども達や自事業所と向き合い「子ども達の将来を見据えた療育」をおこなっていきましょう。