この記事では「ワンマン療育の果て」と言うことで、テーマに沿った運営者の経験や考えを中心に記事にまとめていきたいと思います。
日常生活や仕事、療育でも役に立つ内容となってますので、是非最後までお読み下さい。
1 ワンマン療育の果て
この章では「ワンマン療育の果て」というテーマを「ワンマン療育とは」と「結果、どうなってしまうのか」という項目に分けて考えていきたいと思います。
1-1 ワンマン療育とは
ワンマン療育という言葉は聞き馴染みが無いかもしれませんが、それもそのはずで私が作った造語です。意味はそのままなのですが1人の出来る人が全てを考え、準備し、中には指示出しも含めほぼ1人でおこなっている事業所とあります。10人定員で1事業所しか見ていない場合、頭の回転が早かったり経験値が高かったりすると、それが出来てしまうんですね。
それが完全に悪だと言うつもりはなくて、それも含めてチームワークになっていたり、定休日も決まっていて、休みによってムラが出来なかったりすれば、それもまたひとつの選択肢になり得るとは思います。ただ、気を付けないと変な風に転んでしまったりする可能性があることを頭に入れて置いて欲しいと思います。
次項目ではそういった「気を付けないとリスクがある」と言った部分にスポットを当てて見ていきたいと思います。
1-2 結果、どうなってしまうのか
前項目の締めくくりでも書いたように、この項目では気をつけて欲しいポイントをリスクを含めて考えていきましょう。
①療育の質にムラが出来る
団体スポーツなどでもよく言われるように、選手層が厚いと安定感が増し、何かあった時に同じ程度の質のパフォーマンスを提供することが出来ます。つまり、ワンマン療育をおこなっていると、1人のできる人がコロナにかかったりどうしても離脱しなくてはならなくなった場合に、療育に穴が空いてしまう可能性があるということです。
②スタッフの育成
人は少し高めのハードルを超えることで成長する所があると思っているのですが、ワンマン療育の場合は任されることも少なく、指示までもが整っている状況なので受け手側に相当な高い意識があり、向上心を持っているか、ワンマン療育ながらもスタッフ育成の図式がしっかりしていないとスタッフの成長を妨げてしまうかもしれません。
③現場の判断能力の低下
所謂、指示待ち人間を大量生産してしまう可能性があります。また、現場での判断が出来ずに簡単なことでも確認をしないと1歩も踏み出せないような現場になる可能性があります。私が前にいた現場では「送迎に2分くらい遅れそうなんですけど、電話した方がいいですか?」とベテランの職員が電話で上司に聞いて…すごく考えさせられたのを覚えています。
④子どもからの信頼度に差が出る
子どもは大人の言動や力関係をよく見ています。ワンマン療育をおこなっていると、その1人とはすごく信頼関係が築けて、その言葉にも力がありますが、その他大勢とは中々そうはいかなくなる可能性があります。より意識して積極的に子ども達と関わりを持たないと、信頼関係を築き難いかもしれません。
2 まとめ
さて、ここまで「ワンマン療育の果て」という事で「ワンマン療育とは」と「結果、どうなってしまうのか」と言う項目に分けて考えて来ましたが、いかがだったでしょうか?
ワンマン療育とは運営者が作った言葉だけど、実際にそういう運営をしている事業所は多くあって、その運営方法には様々なリスクがある事が分かったかと思います。しかし、それもこのワンマン療育というやり方を理解し、リスクを埋めていくことで逆にチームワークの1つの形に昇華させることが出来るということも分かったでしょう。
恐るべきなのは自分たちの状況を客観視できておらず、なんとなく回ってるから大丈夫と思い込んでいることです。回っているから上手くいっていると思い込むのは初期の初期の段階までで、もっと向上心を持って見直すべきことがたくさんあるはずです。
先述したリスクを見てみても、どれも一朝一夕で出来るような簡単なことではありません。今のうちから準備して、コツコツと積み上げていく必要があります。今、このブログを見て気付いたのであれば直ぐに準備して欲しいと思います。
子ども達の将来を見据えた療育をおこなうために、事業所やスタッフの将来を見据えた運営をしていきましょう。