この記事では「なぞり絵の勧めと効果」ということで、私がお勧めする机上プログラムの1つ「なぞり絵」についてまとめていきます。
1 なぞり絵の勧めと効果
私は自身の子どもにも、事業所で出会った子ども達にも皆に「なぞり絵」を進めています。なぞり絵とはどんなものなのか、またどんな効果があるのかを詳しく見ていきましょう。
1-1 なぞり絵とは
読んで字のごとくなのですが、元の絵を描き写すことで、写し絵と同じと考えていいと思います。やり方は色々あるので、特に決まりはないのですが、いくつかご紹介しておきます。
①トレーシングペーパー
100均でも売っていますが、重ねると下の絵が見えるような薄い紙です。まさに「なぞり絵」「写し絵」のための紙なので、間違いないですね。
ただ独特の質感なので「普通の紙がいい」と言ったこだわりも一部の子から聞かれました。
②普通紙(別紙)
A4のコピー用紙などを元絵に重ねておこないますが、最後に紹介しているトレース台などがないとすごくやりにくいです。というのも元絵が見にくいです。
100均などで簡単に作れるので、試してみた後にちゃんとしたトレース台を導入するのもありかも知れませんね。
③普通紙(裏紙)
これは分かりにくいと思いますが、コピー用紙に下絵を印刷し、それを裏返して裏に「なぞり絵」をします。紙を重ねるよりは見やすいのですが、裏返って鏡絵のようになるので印刷の時に反転させてから印刷するなどの注意が必要です。
また、番外編として「プラ板」を使ってなぞり絵をすることも出来ます。透明なので描きやすさはピカイチですが、消しゴムが使えない、焼く時のリスクなどはどうしてもあります。
ただ、プラ板も事前に準備をしていればとても良い活動なので、是非取り入れて欲しいと思います。
プラ板については下記のリンク先に詳しくまとめていますので、そちらも合わせてお読みください。
1-2 なぞり絵の効果
なぞり絵を勧めると一部から「独自性が生まれない」「想像力を掻き立てない」などと言われるのですが、それはそれでこれはこれだと思っています。模写やなぞり絵でも運筆のスキルは上がりますし、描けば描くだけ確実に絵は上手くなると言えます。
それに加えて「集中力を高める効果」があります。というのも線をなぞることだけに集中出来るため、余計な要素がなく考えて手が止まったり、イメージを具現化出来ないという失敗が減るからです。
また、それに伴って「座ってられる時間が増える」「鉛筆を持つ拒否感の減少」の効果も期待できます。簡単に言うと「勉強のために座るのは嫌だけど、好きな物や集中してると座ってた」というイメージです。
更に出来上がりの完成度が高く、成功体験に繋がります。
それがあるために「またやろう」「褒めて欲しい」と言う、次に繋がる力が湧いてきます。
2 まとめ
さて、ここまで「なぞり絵の勧めと効果」ということで「なぞり絵とは」「なぞり絵の効果」という部分にフォーカスを当てて見てきましたが、いかがだったでしょうか?
また、なぞり絵をした後に自分で色を塗る「セルフ塗り絵」もお勧めです。一回の活動ではさすがに集中力が持たなくて雑になったりしてしまうので、数回に分けてやるなど、子どもの状況に合わせた活動をおこなっていけるといいですね。
なぞり絵が集中力を養ったり、机上プログラムの取っ掛りとして優れたプログラムだと言うのが分かったと思います。こうやって1つずつ紐解いていくと、いい事づくめのプログラムですよね。
ご自宅や、スペースの少ない事業所でも、年齢問わず大人まで出来るプログラムですので、皆様も是非取り入れて見てください。
「なぞり絵」をよりやりやすくするためにはトレース台があると良いでしょう。トレース台は下からライトで照らして、線をより見やすくしてくれます。
100均の材料でも作れますが、やはりしっかりしたものの方が安定感があって使いやすかったです。下記のリンク参考にしてみてください。