今回の記事は、知らず知らずのうちに子どもが主導権を持って「子どもの意思がルール」になってしまっている事業所やご家庭について書いていきます。
1 子どもが王様になる
「子どもが王様になる」とはどういうことなのかというと「大人が子どもの言いなりになっている」という状況を指しています。
子どもが「王様になる理由」や「どうなってしまうのか」を具体的に考えていきましょう。
1-1 子どもが王様になる理由
ここでは「子どもが王様になる理由」について考えていきたいと思います。
①素質
子どもは基本的に「王様になる素質」があります。それは成長段階の子どもは皆平等に同じです。
それを整えて、導くのが「療育」の役目だと思っています。裏を返せば、子どもが王様になっているということは「適切な療育」が出来ていない可能性があります。
②環境
上記の「素質」と合わせて考えて頂けるとわかると思いますが、素質があるだけでは王様にはなりません。
話を置き換えてみるとわかりやすいと思いますが、どんなに素質のあるアスリートでも、練習環境や支援がないとオリンピックには出られません。
その逆も然りですね。大人が「子どもがそうなってしまうように育ててしまっている」可能性が高いと考えています。
1-2 どんなことが起こるか
上記の話を踏まえて、このままだとどうなってしまうのかを具体的に見ていきたいと思います。
①誤学習
これは上記でも触れましたが、誤学習により学校生活や社会生活に影響が出て来ることが予想されます。
王様にまでなってしまったら、家と学校で切り替えるのは難しくなっているでしょう。
仮にある程度出来ていてもストレス過多な生活になり、学校に行くのも嫌になるかも知れません。
②家庭崩壊
私が現場で出会ったご家庭で、それに近い状況に追い込まれていた方は何人もいらっしゃいます。その場その場での「可哀想だし…」というのは保護者様の甘えである可能性もあります。
結果的に回り回って、保護者様自身や兄弟に影響し、子どもの顔色を見て生活する事になってしまいます。
2 対処法
ここでは「ではどうしたらいいの?」という方と、対処法を考えていきたいと思います。
私は「適切な療育を受け、家庭でも連携する」事だと考えています。
療育は事業所で受けたらそれで終わりでもなければ、直ぐに身につくものでもありません。
むしろやっとスタート地点に立ったと考えてご家庭で「反復」し事業所だけじゃなくて「家でも学校でも同じだよ」と教えていくことが大切だと思います。
そうすることで「般化」し、やっと身につくことが出来るのです。
「般化」については過去記事に書いていますので、下記のリンクより合わせてお読みください。
3 まとめ
最後に、私が現場で出会ったご家庭の話をさせて頂きます。
そのご家庭では、子どもにちょっとした指示を出すだけでも「お菓子買ってあげるから」「おもちゃ持って行っていいから」と「誤ったアメの使い方」をしてしまい、結果的に子どもは不健康な食生活をし、居心地のいい家から出たがらず不登校、たまに学校にいってもやりたくないことはやらず教室で1人動画を観る生活。
いつしか「早く放デイに出掛けて欲しい」と家族みんなが思うようになっていました。
これは健全な生活が出来ているとは言えませんよね。しかしご家族も試行錯誤されており、愛情を注いでおられます。
適切な療育に出会えず、何がベストなのか分からなかっただけでした。
さて、ここまで「子どもを王様にしてはいけない理由」を考えてきましたが、いかがだったでしょうか?
今から新しい事を始めるのも、今から軌道修正するのも、親子共に負担のかかることでしょう。しかし、過去記事でも言っているように「早期療育」の必要性や「子どもの将来を見据えた療育」が大切になります。
子どもにはその判断を迫るのは難しいでしょう。あなたは子どもの将来の為にどちらを選びますか?
下記のリンクより「早期療育」についての過去記事も、合わせてお読みください。