
放デイより児発の方が、報酬単価が良いと聞いたけど…実際どのくらい違うの?

上記のように「これから事業を立ち上げたい方」や「すでに事業所を持っているが、経営を見直したい」と考えている方に参考にして頂ける記事になっています。
1 報酬単価の考え方について
障害児通所事業では、各項目ごとに単位が決まっておりその「単位数」と事業所の所在地が該当する「地域区分」を基にした以下の計算式を用いて計算します。
単位数 × 10円 × 事業所が所在する地域区分に応じた割合

加算なども同じ考え方ではありますが、加算によっては計算式が違うものもありますので注意して下さい。
1-1 単位数
この章の冒頭で書いた計算式の「単位数」について説明していきます。
全てを記事に書こうとすると膨大な量になってきますので、今回は「基本報酬」に特化して説明し「計算方法」や「基本的な考え方」を学んでいきましょう。
①児童発達支援
基本単価(10名)
区分1(平日サービス提供時間3時間以上を指します)→885単位
②放課後等デイサービス
基本単価(10名)
区分1(平日サービス提供時間3時間以上を指します)→604単位
学校休業日→721単位

「学校休業日の放デイ」を計算式に当てはめると、
721× 10円 × 事業所が所在する地域区分に応じた割合
となります。
1-2 地域区分に応じた割合
この章の冒頭で書いた計算式の「地域区分に応じた割合」について説明していきます。
厚生労働省により各地域が「級地」に区分されており「級地」によって報酬が変わってきます。家賃などの違いから報酬を平等にするために設けられています。
今回は「1級地」を例にして説明し「計算方法」や「基本的な考え方」を学んでいきましょう。
①児童発達支援
児童発達支援センター以外の指定児童発達支援事業所等の割合→1120 / 1000
②放課後等デイサービス
重症心身障害以外の障害の割合→1120 / 1000

「放デイの重症心身障害以外の障害」を、先ほどの計算式に当てはめると、
721× 10円 × 1120 / 1000
となります。
1-3 放デイと児発の基本報酬の比較
ここまで見てきた計算式を計算すると、
721× 10円 × 1120 ÷1000=8,075.2
となりますが、1円未満は切り捨てとなりますので、放課後等デイサービスに学校休業日に利用すると、1人8,075円の基本報酬を得られます。10人利用したら80,750円です。
同じように児発も計算してみましょう。
885× 10円 × 1120 ÷1000=9,912
となり、10人利用すると99,120円となります。
その差額は99,120ー80,750=18,370円となり、20日営業だと月に367,400円の差が出てきます。
2 まとめ
さて、ここまで放デイと児発の基本報酬の差について考えて来ましたが、いかがだったでしょうか?
地域や加算によっても変わってきますので、この記事ではざっくりとしたイメージと基本的な考え方を学んで頂ければと思っています。
この差額をみてどう感じるかは人それぞれ違ってくると思います。
「福祉の目的はお金じゃない」とは言いつつも、運営資金がなければ子ども達にも保護者様にも福祉を届けることは出来ません。
日本人はどうしてもお金の話はタブーなイメージがありますが、しっかりと考えてルールの中で出来ることをしていくべきだと思います。