「今回は経営者の価値観と現場のギャップ」というタイトルを付けましたが、私は以前にも「現場と経営者の考え方の違いと対処法│療育のお仕事」同じような記事を書いています。
今回はまた違った視点で書いていきたいと思いますので、前記事も合わせてご覧下さい。
1経営者の価値観と現場のギャップ
この章では「経営者」と「現場」について考えていきたいのですが、前記事で「今、放デイを立ち上げるべきか否か」という記事を書いています。
今回はその前記事を例えにしつつ軸として考え、まとめていきましょう。
1-1 経営者目線
前記事でも書いていますが「今、放デイを立ち上げるか否か」と考えた時に、私はビジネスベースなら「今は立ち上げない」と答えます。
その理由などについては前記事を読んで頂きたいのですが、簡単にいうと「薄利多売で割に合わない」と考えてしまうからです。
これは明らかに経営者目線ですが、経営者も「金の亡者だから」ばかりではなく、従業員の生活と会社を守る責任があるからです。
日本では経営者が「お金」や「数字」の事を言うとすぐに「福祉をやる資格がない」「不適切」と言われてしまいますが、経営者が売上度外視で「利用者のため、給料も低く残業代なしで利用者に尽くしてくれ」と言ったら、心から喜べますか?
あなたは自分の家族の時間もお金よりも、利用者のことだけを考えていられますか?
1-2 現場目線
同じように「今、放デイを立ち上げるか否か」と考えた時に、利益度外視でトントンで良いなら可能でしょう。
全項目でも書いたように「薄利多売」で、利益が出ないわけではないのです。自身の療育を追求したい仲間で始めたり、しがらみに囚われずに働きたい方はその選択も可能でしょう。
これはまさに「現場目線」で、自身の目標を中心においた割と自由な発想とも取れます。
ただ、やはり売上の管理はせざるを得ないのは当たり前の話で「個別で集中して見たいから、一日の利用を5人までにします!」とは言っても経営は成り立ちません。
2 まとめ
ここまで「経営者」と「現場」の考え方の違いを見るために「今、放デイを立ち上げるか否か」という点で考えてきましたが、いかがだったでしょうか?
鋭い方はお気付きだと思いますが、私からするとどちらの視点も必要不可欠で、100対0はありえないんです。
「両極端な2つの主張の濃度を自分好みに調整する」と言ったイメージでしょうか。要はバランスですね。極端な方よりがなければ、その正解は経営者次第だと思います。
私自身、この事業に入ったばかりの頃は「なんで数字の話ばかり?」「これが福祉なの?」と思っていましたが、経験を積み、視野を広げたことによって考え方は変わってきました。
自身と違う意見が出た時に「頭ごなしに否定する」のではなく「あの人の立場だと、そうなるよね」「でも、ここでバランス取ろうとしてるんだ」と言うような視点を持って貰いたいです。
「類は友を呼ぶ」という言葉があるように、良い経営者には良い従業員が付くというか、残ると考えています。
良い療育を目指すことはもうやられていると思いますが、良い療育をおこなうための環境を存続させられるように「お互いの立場」を分かりあって「協力」し合える事を目指しましょう。