この記事では、何かとネガティブな話題になりがちな「療育の現場」での「YouTube」について、活用法などをまとめています。
過去にも「療育と動画」についての記事を書いていますので、そちらも参考にしてください。
1 YouTubeの活用法
この章ではネガティブなイメージを持たれがちな、YouTubeなど動画の活用法を見ていきたいと思います。
私は常々「生活のほぼ全てが療育に成り得る」と言ってきましたが、テレビゲームやYouTubeも同じことです。
1-1 ルールを決める
私も実際に現場の子ども達に動画を見せることがあります。私が実際に意識しているポイントを見ていきましょう。
療育ラボの記事を読んでくださっている方は「うんうん」と頷いて下さってると思いますが、まず初めにルールを決めて子どもに提示することです。
①時間を決める
動画にはストーリー性のあるものもあるので「何時何分まで」という決め方にするか「この動画ご終わるまで」にするかで、子どもの反応は全く変わってきます。
「動画を見る時間」というプログラムのゴールをどこに設定するのかで、それまでの過程やルール自体も変わってきます。
逆算してスタート時間を決めたり、ある程度準備が必要ですね。
②視聴内容に制限をする
ガッツリとした活動プログラムと言うより、食後休憩などの運動を制限する為に使う場合は「今日はスタッフが見るものを決める」と言ったように、子ども達の状況をみつつ、敢えて難しいルールにすることもあります。
③順番を守る
ルールゲームの派生として「プロジェクターを使い1人5分程度の持ち時間で見たいものを見ても良い」というプログラムをおこなったこともあります。
また合わせて「人の選んだものを否定しない」などを併せておきたいですね。
まだまだ例をあげるとキリがないのですが、考え方としては「動画を見るためのルール」を考えるのではなく「子ども達の課題をクリアするためのツールとして使う」という事が大切だと思います。
2 まとめ
さて、ここまで「療育の現場でのYouTubeの活用法」ということで、主にルールについて考えてきましたが、いかがだったでしょうか?
他の記事をお読みくださった方はわかると思いますが「お約束、ルールを守る」ということは、社会の縮図なんだと思います。社会とは「お約束」が決められていて、その「お約束」を共通認識としていることで、争そわず協調性を保つ基準となっています。
そのトレーニングがSSTなので、どんなツールを使っても「お約束」を守ることに療育の意味が出てきます。しかし、じゃあ一日中「ルール」を決めて動画見せていても良いのか?というと、それはNOですね。
子ども達は良くも悪くも飽きてしまいますし、同じことしかしていないと当然偏りが出てしまいます。子ども達と向き合い、よく観察し、バランスの取れた療育を提供していきましょう。