絵を描くのが好きなので伸ばしてあげたい。
工作系のプログラムなんかないかな?
今回の記事は、上記のようなお悩みを「プラ板作り」を取り入れて解決していきたいと思います。
1 プラ板作り
冒頭でも書いているように、プラ板作りを療育に取り入れるための「準備」や「流れ」また「メリット」について考えていきたいと思います。
1-1 準備
この項目ではプラ板作りをおこなうにあたっての「準備」をみていきましょう。
①必要なもの
・プラ板(100均で購入可)
・油性ペン
・トースター
・耐熱のクッキングシートかアルミホイル
・穴あけパンチ
・土台と重し(辞書など)
・キーホルダー、ストラップなど
・下絵(必要であれば印刷しておく)
・マスキングテープ(必要であれば)
目の細かい紙やすりでプラ板の表面を削る事で、色鉛筆で色を塗ることが出来ます。アレンジとしてやってみても面白いですよ!
②環境
基本的には子ども達が落ち着いて絵をかける環境があれば問題ないのですが、プラ板を焼くトースターだけは注意が必要です。必ず専属のスタッフを配置して、トースターの周りに大人がいないことがないようにしてください。
また、プラ板が動きながら縮んでいくのが醍醐味でもありますので、危険がないように上手く見せる工夫が必要です。
例えば部屋の隅にトースターを置き、トースターの横にスタッフを配置します。トースターに近付けないように低めの椅子などでトースターを囲い、更にその向こうに子どもが座る椅子を並べます。そして「必ず座って見る」約束をしておきましょう。
何人かまとめてではなく、絵ができた子から1人ずつ対応した方がより安全でしょう。
クッキングシートは何回か使うと焦げてきて燃えることがあります。注意して自己責任でおこなってください。
1-2 流れ
この項目では実際にプラ板作りの活動の流れをみていきましょう。
①1人分の大きさに切って、角を落としておく
売られているものはだいたいは大きすぎるので適度なサイズに切っておきましょう。
プラ板は焼くと縮みますので、それを計算に入れて切っておきます。
②絵を描いて色を塗る
自由にかける子は自由でもいいし、下絵が必要な子は下絵にプラ板を重ねてマスキングテープなどで留めてから描きましょう。
この時に先にキーホルダー用の穴をあけておくと、考慮して絵を描きやすくなります。
③焼く
クッキングシートか、1度アルミホイルをくしゃくしゃにして広げたものをトースターに敷いてその上にプラ板を載せます。
「どうせ縮むから」とあまりたくさん入れてしまうと、焼きの工程で動きながら縮むくのでプラ板同士がくっ付いてしまいますので注意しましょう。
縮みきったら直ぐに出すぐらいのイメージで大丈夫だと思います。やりすぎると溶けたり、持ち上げた時に形が変わってしまいます。
取り出す時は、素手だとかなり熱いので割り箸などを使うと良いでしょう。焼く工程はかなり危険なので、私は子どもにやらせたことはありません。
前章でも書いているように、徹底的にやり過ぎなくらいの安全対策をしておこなっています。
④熱を冷ます
取り出す際はスライドさせるような形で土台に移動させ、重しを乗せ平らにします。
この時もクッキングシートなどを間に入れておかないとインクがついてしまうことがありますのでご注意ください。
乗せる重しが薄いと、表面が熱くなることがありますので、注意しつつ、冷めるまでは子どもが触らないように気を付けましょう。
⑤仕上げ
キーホルダーを付けたり、ストラップを付けたりして完成となります。
中には、そういうものを付けたくないという子もいるので、穴を開けるか確認しておくと良いかもしれません。
1-3 メリット
この項目ではプラ板を療育に取り入れるメリットを考えていきます。
①微細運動
これは当たり前のことですが、工作をすることで微細運動をおこなえ、集中力を維持するトレーニングにもなります。
②SST
ペンの貸し借りや順番待ち、特に焼く時のルールなど、SSTをおこなうことができます。
③成果が目に見える
やはり自分が作ったものは特別なので、ランドセルに付けている子や保護者様に自慢する子などもいます。
また、子ども達の状況により「線画だけ描いておいて色塗りにする」など、難易度の調整がしやすいのもプラ板作りのメリットです。
2まとめ
ここまで「プラ板作り」を取り入れた療育にについて考えてきましたが、いかがだったでしょうか?
様々な要素があってメリットもあるプログラムですが、危険も伴います。十分に注意して、子ども達が楽しみながら療育を受けられるようにしましょう。
最後に最も注意すべき点を書いておきます。プラ板を焼いて冷ます工程はほぼスタッフがおこないます。
そして失敗するリスクが最も高いのもその工程になります。勿論、失敗しようとして失敗するスタッフはいないと思いますが、子どもにとっては「自分が育てた子」のような気持ちでみています。
私は失敗したことはないのでそんなに難しくはないのですが、偶然くっ付いてしまったりすることがあります。
事前に何度か練習したり、子どもに予め失敗のリスクを話しておくなど、工夫しておきましょう。それでも失敗してしまったら「誠心誠意」謝りましょう。きっと解ってくれると思います。