うちの子は自分本位で行動しがち。
ルールを守れなくてトラブルになりがち。
上記のようなお悩みをお持ちの皆さまに、本日は私が現場で実践してきたルールゲームを提案します!
ルールゲームを取り入れることでメリットがたくさんあります!それらを積み重ねていくことで、ソーシャルスキルを身に付けていきましょう。
1 ルールゲームとは
ルールゲームとただ言ってもよく分からないと思いますが「ルールゲーム」という「ゲーム」がある訳ではありません。「遊び」をツールとした「SST」だと思ってください。
1-1 ルールゲームの定義
ルールゲームはその名の通り「ルールのある遊び」を指します。そしてそのルールは「ゲーム内のルールだけではない」ということです。
つまり、支援者がルールを設定することによって、どんな遊びでも「ルールゲームになりうる」ということですね。
1-2 対象
指示が入り始めたくらいからが対象となるでしょう。できるか出来ないかは置いておいて「指示の理解」が必要になってきます。
支持の理解がまだ出来てないうちに無理にやらせると、過度なストレスを与えるばかりか「嫌なことだ」と誤学習に繋がる可能性があります。
1-3 ルールゲームのやり方
ここでは私が実際に現場でおこなった「カプラ」を使ったルールゲームを例に、ルールゲームの方法を説明していきたいと思います。
①テーマを決める
まずはどんな遊びをテーマにするかを決めます。今回は「カプラ」となります。
ここではあえてルールのなさそうな遊びをテーマに選びましたが「元からルールのある遊び」でも構いません。
②ルールを決める
ここでは「ゲーム外のルール」を決めていきます。
今回は…
・終了時間を決める
・決められた数のカプラを使う
・人の作品に触らない
・静かに動く
・大きな声を出さない
と、しました。
ルール設定は子どもの支援計画や療育の方針に合わせて、柔軟に決定していきましょう。
また、課題が沢山あるからと盛り込みすぎない方がいいでしょう。子どもの状況にもよりますが、多くても5つ、3つくらいでも良いと思います。
③子どもにルールを説明する
ルールは決めるだけでは効果はありません。「子どもに伝え子どもが守る気持ちになる」ことで、初めて効果が現れます。「始める前」に必ず説明しましょう。
「ルールはこれです!」で分かるようになるには時間が必要です。まずは「お約束」という形で子どもに話してみましょう。
④ルールを守って遊ぶ
ルールを決めたからにはルールを守って遊びます。よくある失敗例は「これくらい多めにみるか」「この子はどうせ分かんないから」という妥協した支援です。
何度も言いますが、中途半端な支援をすることは「誤学習」を招きます。支援者側もせっかく支援をしたいのに、子どもの成長の妨げになってしまわないようにしましょう。
ここで妥協しないためには「ルール設定」「グループ分け」が大事になってきますね。グループのメンバーに理解や能力の差がありすぎると、同じルールを守ることは難しいでしょう。
1-4 ルールゲームのメリット
ここではあらゆる角度からみた、ルールゲームのメリットを紹介していきます。
言うまでもなく、まさにこれこそが「社会生活スキル」ですよね。ルールゲームは社会をギューッと凝縮したものだと思います。「ルールがあるからバランスが取れている」そういう気付きになることが期待できます。
しかもそれを楽しい遊びの中で自然と身についていくものなので、過度なストレスを感じないでしょう。
しかし、ルールゲームがいいからとルールゲームばかりを多用し、自由な時間が無くなると「自主性が損なわれ、自分で遊びを見つける」ことが苦手になってしまいます。何でもそうですが、バランスよく取り入れていきましょう。
私は現場でルールゲームをする時は、クールダウンを狙って帰りの会の前におこなっています。
ルールを守っていると必然的にクールダウンに繋がり、帰りの会から送迎がスムーズに進むという「隠れメリット」も期待できます。
2 まとめ
ルールを守ることを学ぶと、子どもの将来の色々なところで役に立つでしょう。友達間のトラブルや進学、就業にとって間違いなく必要なスキルです。
いつも口癖のように言っていますが「子どもの将来を見据えた療育」をしなくては意味がなくなってしまいます。あくまでも療育をおこなう事が目的なので、目的を見失わないように支援していきましょう。
ここまで「ルールゲーム」について見てきましたがいかがだったでしょうか?
今、ご自宅や事業所にあるもので始められ、準備にもそう時間はかからない「ルールゲーム」はとても優れた療育プログラムと言えます。
支援者もゲームに参加し、一緒に遊ぶことでより子ども達との距離感も縮まり、信頼関係も築けるでしょう。
見えなかった一面も見えるかもしれませんね。