板書の苦手はこれで克服!?│療育プログラム

うちの子は板書が苦手で。
板書の練習をさせたいんだけど、嫌がる。

運営者:田中
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上記のようなお悩みをお持ちの方。

今回は、私が知人の放デイ管理者のRさんから聞いたK君の成功例をご紹介致します。

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1 好きこそ物の上手なれ

それに加えて「苦手な数字や漢字を書かなくてはいけない」となるとどうでしょうか?どんどんやりたくない気持ちが膨らんで、悪循環になってしまいます。それではそうしたらいいのでしょうか?今回はその成功事例をテーマに考えていきます。

1-1 本人の好きなものを題材にする

先述した管理者Rさんは、ポケモン図鑑のサイトを上手く使って、ポケモンのキャラクターの特徴を1日1キャラ書き「自分のポケモン図鑑を作ろう!」と持ちかけたそうです。K君はポケモンが大好きだったので、喜んで話に乗ってきたそうです。

1日1キャラ、1ページと決めておくと先の見通しがたって過度に嫌がることはないでしょう。また、最初のうちは「ごほうび」として、印刷したそのキャラクターを貼って塗り絵にしたりして、上半分絵日記のように上半分をイラストにするのもありだと思います。

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板書の前にごほうびを出してしまうと、気が散って逆にマイナス効果になりますので、ごほうびを出すタイミングは気をつけましょう。

1-2 支援の方法

ここでは管理者Rさんが実際にK君に対しておこなった支援の流れに、私の見解を加えて実際の支援の方法を説明していきたいと思います。

①テーマを決める(本人の好きな物)

このテーマ選定がキーポイントになります。好きであればあるほど興味を持つでしょう。中には「好きなものが特にない」という子もいるかもしれませんが「興味を持ちそうなもの」「兄弟や保護者の好きなもの」「周囲が羨ましがるようなもの」をテーマにしてみましょう。

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確かに、興味の分かりにくい子や、本当にキャラクターに興味のない子もいます。しかし、それを見つけるのが「支援者の腕の見せ所」です。「電車」でも「動物」でも、本人が乗り気になってくれればOKだと思います。

②準備をする

テーマに沿った内容を見本として直ぐに書けるようにまとめておきましょう。また、板書の練習なので、学校の黒板の位置とノートを交互に見る形を作りたいです。ホワイトボードや黒板がない場合は「模造紙に書いて前に貼る」などでもいいでしょう。

気が散るものや装飾などはない方が好ましいです。

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この部分はTEACCHプログラムにも繋がってくる部分ですね。ハード部分の環境設定になります。その子がその子らしくいられるような環境を提供していきましょう。

 

 

③ルールを伝える

明確にルールを決めておき、始める前に必ず確認します。
【例】
・席を立たない
・質問は手を挙げて指されてから
・1日1キャラ、1ページのみ
・キレイに書く
・前に書いたものを書き写すだけで良い など

ルール設定は「これは当たり前過ぎるからルールに入れなくていい」ではなく、明確にルールを決めておきましょう。しかし、それが10個も20個もあると守りけれません。個人差がありますが「厳選した5つくらいが限度かな?」と思います。

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ここで注意しておきたいのは「メリハリを付ける」ことです。子どもの自己肯定感は上げていきたいですが、何でも許されるわけではないんです。

 

ルールは必要ですが、それだけで縛るのではなく子どもをよく見て、その子にあった支援をしていきましょう。

④褒める

板書が出来たら、これでもかと言うくらい褒めましょう!担当したスタッフだけでなく、ノートを他のスタッフに見せて一緒に褒めましょう。

何をおいても、まず褒めてください!半分しか書き写すことが出来なくても「褒める」。そして、次は4分の3やりたくなるような声をかけていきましょう。送迎時などに子どもの前で、必ず保護者様に報告し、一緒に褒めましょう!その流れで保護者様との協力体制も構築出来て一石二鳥ですね。

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この部分はABAの考え方に基づいていますね。褒めて子どもの自己肯定感をあげることで、その行動を「強化」していきます。

 

「褒められる」→「嬉しい」→「またやる」→「褒められる」のスパイラルが続いていくと、それが習慣化し意識しなくても出来るようになります。難しく言うと「般化」する、ということですね。

1-3 効果

ここでは、このプログラムをおこなうことで期待できる「効果」を書いていきたいと思います。この部分は当人は理解していなくても「効果」は期待できますが、支援者は「どの行動」に対して「どんな効果」があるのかを理解しておくべきでしょう。

支援者が「理解している」か「理解していないか」は、子どもが想定と違った行動をした時に顕著に表れます。「行動」に対しての「効果」が分かっている人は別の角度からのアプローチや代替えが出来やすい傾向にあります。

①眼球運動

内容は違えど「学校での板書と同じ動作」をしていますので、眼球運動も鍛えられます。学校での板書も少しずつ楽になってくる事が期待できます。当然、文字を書くと言う微細運動もおこなっていますので、板書に必要な運動は鍛えられると考えられます。

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例えば、自身が筋トレをする時に「今日の夕飯の事」を考えていても、継続していれば「ある程度の結果」は望めますよね?眼球運動も、結局は眼球を動かす筋肉を鍛えることにもなりますので同様です。

②慣れる

先述したK君もそうですが、慣れてくると「俺、まだ出来るよ」と自分から言うようになってきます。ただ、その子に「どこまで付き合えるのか」を支援者が把握せずに、望むままに次々やらせて「支援者が忙しくなってきたから放置」では、せっかく貯めてきた子どものやる気も一気になくなります。

「やっても褒められない」「やっても見てくれない」では「やっても意味がない」というネガティブな部分が強化されてしまい誤学習に繋がってしまいます。子どもにルールを課すからには、大人もルールを決めて行動しましょう。子どもの「やる気」だけを見て、手放しに進ませても、最後まで付き合えないのであれば「いい所で終わらせておく」事も必要です。

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「でも、せっかくやる気があるのにもったいない」という方がいらっしゃいます。それでは最後まで見れる工夫と努力をしましょう。

私も現場にいますので、色々な問題や障壁があるのは理解しています。子どもにとことん向き合いたいのであればそれなりの行動力も必要ですし、なおさら中途半端な支援をして欲しくないと感じます。

 

③苦手意識の克服

私の受け持った子にもいますが、そういう子達は今までに散々「ダメな子」のレッテルを貼られてきています。本人は普段は気にしてない風でも、いざとなると「俺、出来ないから…」となってしまいます。本当は傷ついているし、自己肯定感が下がってるんです。

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毎回、褒められていれば、子どもの自己肯定感は必ず上がります。その裏ではトレーニングになっているので、大いに楽しみながらやって頂きたいです。

 

また本人がノってくると他での行動も変わってきて「友達の遊んでたブロックを一緒に片づけてくれる」など、子どもは他にもいいことをしてたくさん褒められたいんです。

 

その時に支援者が気付いて褒めてあげられるかが非常に大切になってきます。

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2 まとめ

何でもそうですが、これが「上手くいく子」と「上手くいかない子」が必ず出てきます。あくまでも一つの選択肢として考えてください。上手くいかなかった場合は、そこで終わりではなく、その子やその状況にあったアレンジをしてみましょう。

子どもは周りを見ています。「あ、みんなやってるから俺もやるんだ」という事はよくあります。その心理を利用して「あえて小集団を作っておこなう」など、いくらでも方法はあると思います。

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いかがだったでしょうか?
今回は、知人の管理者Rさんから頂いた事例を掘り下げていきました。

 

私も自分自身の事を振り返ってみると、学校の宿題なんかやらないのに家では熱心に図鑑を書き写したりしていました。「好きなこと」はモチベーションを上げ、集中力を高めます。

 

今でも、朝からこのブログの整備をしたり、記事を書いていると気付いたら19時過ぎてるなんてこともあります。

 

子どもに負荷を与える事がトレーニングではありません。楽しくてトレーニングだと気付かなくても良いこともありますよね。この記事が日々の療育のヒントになれば幸いです。

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