ABA(応用行動分析学)を児発管が徹底解説

 

ABAって良いらしいけど…なにをするの?
やっぱり、難しいお勉強なのかな?
ABAは家でもできることなの?

 

運営者:田中
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ABA(Applied Behavior Analysis)とは、応用行動分析学という学問で、アメリカの心理学者が作ったものがベースとなっています。

 

それでは詳しく見ていきましょう。

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1 ABA(応用行動分析学)とは

今までの考え方では、行動を起こす理由を「その人、個人」に求めていましたが、ABAの元となる行動分析学では、行動を起こす理由を「個人と周囲の環境の相互作用によって生まれる」としています。

分かりやすく言うと「行動を起こす理由は、本人の気持ちや行動の原因と周囲の環境との関係性の中で考えましょう」というものです。ABAは、行動分析学の考え方を問題解決に応用していこうとする中で生まれました。

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2 ABAの考え方

行動に着目する行動分析を「療育として活かす」考え方がABAとなります。上記のABAとは、でも書いていますが、従来の「子どもの行動」だけに注目するのではなく、「周囲の環境」つまり「きっかけ」と「結果」にも注目し、子どもの行動に対する理解を深めます。

2-1 ポイント

ポイントとしては「子どもの行動に着目する」ということです。個人の感想ではないので第三者とも情報を共有しやすいのはメリットですね。何かを伝える時に数値化するのと少し似ているかもしれません。その行動に対して、下記の2-2で詳しく説明する「ABC分析」をおこなっていくということになります。

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ここで注意点
間違った使い方をしてしまうと「して欲しくない行動」が「強化」されてしまうこともあります。実はこれ、子育ての中で無意識のうちのしてしまっていることが多くみられます。

 

「子どもが自発的にお手伝いをしたのに、失敗を叱責してしまった」ことありませんか?こういった親の感情に流された行動で、子どもがどんな影響を受けるか考えてみましょう。

 

2-2 ABC分析

ABC分析【Antecedent(先行) Behavior(行動) Consequence(結果)】

先行の部分は「きっかけ」という言葉に置き換えると分かりやすいでしょうか。この考え方には大きく分けて2つのパターンがあり、1つは(して欲しい)行動を増やす「強化」というパターン、もう1つは(して欲しくない)行動を「消去」するパターンです。

①「強化」とは

上図のように、行動に対して本人にとって結果が良いものであれば、同じ行動を繰り返しやすくなります。ただ、ここで問題なのが「行動」の部分が「して欲しくない行動」に代わっても、結果が本人にとって嬉しいこと、楽しいことであれば「して欲しくない行動」を強化してしまうので、注意が必要です。

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アレンジとして
「して欲しい行動」を強化する際に、シール帳やカレンダーなどにシールを貼たり、視覚化することも1つのポイントとなります。私も児発管として働く中で取り入れていました。特に男の子は収集癖があったり、兄弟や友達と競うように集めており、相乗効果で競うように「して欲しい行動」が増えたのを覚えています。

 

実際に現場で使っていたシール用の台紙を「お役立ち資料」から、無料でダウンロード出来るようにしていますのでご利用ください。

ごほうびシールのダウンロードはこちらから

 

②消去

ポイントのところでお話ししたのが、この部分になります。上図のように、せっかく「して欲しい行動」をしても、スルーされてしまったら嬉しくないですよね。

しかし「消去」は、ただの強化に失敗した時の例ではありません。
少し頭を切り替えてみると…

上図のように「して欲しくない行動」を「消去」していくことも出来ます。
支援者側が上手く使い分けることにより、子どもにかかる負荷を最小限におさえて行動を修正していくことが出来ます。

ご家庭などでは特に「大声で怒鳴ってしまう」「躾のつもりで叩いてしまう」なんてことをいまだによく聞きます。そのような行動は、緊急時や命に関わることなどを除いては、子どもの自己肯定感を下げてしまいます。モチベーションを下げ、子どもの成長を妨げてしまいますので控えましょう。

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3 ABA療育を受けるには

ABAの魅力は分かったし、取り入れたいけどどうしたらいいのかな??

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「プロに依頼する」パターンと「ご家庭で試してみる」パターンがあります。それでは見ていきましょう。

3-1 療育施設など、プロにお願いする

通所型で言えば「放課後等デイサービス」「児童発達支援」「塾」のようなものが増えてきているように感じますし、訪問型では「ベビーシッター登録サイト」「ココナラ」等でも専門に勉強された方が登録しています。

3-2 家でおこなう

通所のように外の環境ではなく、家でこそ行いたいという要望は多いと思います。オンラインでの療育もありますし、上記で上げた「訪問型」の療育を利用するのも1つの手だと思います。また保護者向けのセミナーや講習会、ペアレントトレーニングなどもあるようです。

保護者様や子どもの状況などを踏まえ、ベストなものを選定する必要はあるでしょう。

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少しボリューミーな記事になりましたが、いかがでしたか?

 

今回紹介した「ABA」と「療育」はとても相性がいいと思います。そして「療育」のベースとなる考え方になっていくと思っています。

 

最近「叱られない放デイ」「怒らない放デイ」というのをチラホラ聞きますが、ただ「怒らない放デイ」と言うだけでは、やはり「療育」とは言えません。怒らずに「どう成長を促すか」が最も重要なポイントになってきます。

 

何度も言いますが、療育の基本は「未来を見据えること」が重要です。目先だけの良さげな謳い文句に騙されないように、一緒に学んでいきましょう。

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