本日は実際に現場で起きた事例をもとに、スタッフの育成について考えて見たいと思います。
1 スタッフの育成
この章では実際に現場で起きた事例あげ、私なりの視点で解説を入れています。
しかし今回は、1つの答えを提示するというより、皆様ならどのような解決をするかを考えて頂ければと思っています。
1-1 動画で解決するスタッフ
児発の児童を送迎する際によく泣くからと、泣く前から「スマホで動画を見せてしまう」また、泣くからと「動画を見せながらご飯を食べさせてあげる」
ご家庭での子育てでも賛否あると思いますが「スマホ育児」などといって、勧めている専門家もいます。
しかし事業所では「療育」を提供しているわけで、ご家庭での育児のように「今だけは静かにしてて欲しい」という状況とは違うと思います。
例えば長期休みなどに昼食を食べ終え「すぐに運動しないように休憩時間を決めてその間だけ動画をみる」なら、理解出来ます。
場面や頻度、時間の長さ、対象の年齢によっても変わってくると思いますが、基本的には動画に頼らず、本人が気持ちをコントロール出来るように誘導してあげたいですね。
結局、そのスタッフに理解して貰えずに、まだ送迎中などに隠れて動画を見せてしまっているようです。
1-2 「虐待だ」と動かないスタッフ
自閉症の児童が来所し、来所時のお約束の流れ「荷物を置いて手洗いをする」をせずに遊んでしまってました。
そこに1人の男性スタッフがマンツーマンでついていたのでますが、横に立って眺めているだけで何もしません。
ベテランの女性スタッフが「手を取って一緒に洗ってあげて?」と、声をかけると、その男性スタッフは「やりたくないのを無理やりやらせるのは虐待ではないか?」「私に虐待をしろと言うのですか?」と言い返されたそうです。
女性スタッフは絶句してしまい、それ以上何も言えなかったそうです。
私は当然、それが虐待だとは思いません。特に今の時期は手洗いは必須ですし、繰り返し教えないと身につかないでしょう。
その後、男性スタッフがどのように変わったのかは聞いていませんが、色々な考え方があるんだな…と、改めて考えさせられました。
2 まとめ
前章で2つの事例を取り上げましたが、いかがだったでしょうか?
「自分ならこうする」「当人だけでなく、周囲のスタッフにも指導する」など、様々な意見があると思います。
私は2つの事例には共通する課題があると思っています。
それは「支援の統一」ということです。スタッフそれぞれに考え方があって、全く同じ考え方である確率はほぼゼロに近いでしょう。
しかし、バラバラの支援を続けていると混乱するのは児童本人であり、そのしわ寄せがご家庭にも来ることになります。
スタッフの育成ということは、研修やOJTなどで新しい知識や方法を教えることでもありますが「支援の統一」も重要な要素だと覚えていて欲しいと思います。
ガイドラインには、児発管の役割として「スタッフの育成」が挙げられています。
しかし、全てを児発管ができる訳ではありません。周囲とも協力し合い、児発管の支援の方針を浸透させていくことが「スタッフの育成」に繋がっていくのだと思います。