新しく療育を受け始めたけど子どもが乗り気じゃないさそう。
私も児発管として新規のお子様をお預かりする際にありがちな相談です。
今回は、子どもが通所を嫌がった際にどう考えるのか、どう対処すべきかを考えていきましょう。
1 子どもが通所を嫌がったら
今回は「子どもが通所を嫌がったら」どのように考え、対処していくべきかを考えていきたいと思いますが、子どもを取り巻く環境も子ども自身も「十人十色」同じ人はいません。
この記事を参考に考えて頂き、事業所や子ども本人とも上手く連携が取れるようにしましょう。
1-1 原因を探る
当たり前のことではありますが以外と忘れがちというか「なんとなく決めつけがち」な方が多いです。
「なんかお友達と合わないみたいで」「なんか先生が厳しいみたいで」など「実際に何が嫌なのか」「何が子どもの為なのか」を蔑ろにしてしまっています。
特に子どもが小さかったり、過保護気味な方は「可哀想で…」と言われますが、では「今、適切な療育を受けなかった子どもは可哀想じゃないのでしょうか?」
現実から目を逸らして「今、笑顔だったら全て上手くいく」と思っていませんか?子どもは保護者様より長くいきるでしょう。自立もしたいでしょう。それには幼少期から学童期かけて、やらなくてはいけない事があるはずです。
ここで注意しなければいけないのが「本当に子どもが辛い場合もある」という事です。そこは目をつぶる訳にはいかないので対処が必要です。
しかし「合わないので辞めます」と「合う事業所を渡り歩く」より、最初から「連携が取れ、しっかりと相談出来る事業所」を探すべきだと思います。
相談支援事業所をご利用の方は、相談員さんは第三者的にも相談に乗ってくれると思いますので、困った時は相談をしてみてください。
1-2 子どもをのせる
子どものモチベーションが上がる時はどんな時でしょうか。「楽しくてハマっている時」や「自己肯定感が高まる時」ではないでしょうか?
事業所は子どもの落ち着ける「居場所を提供」しつつ「自己肯定感を上げる」ように支援しています、保護者様も慣れない事業所で頑張ってきた子どもを「たくさん褒めてあげて欲しい」です。
特に子どもが慣れずに緊張している最初の段階で「褒める」ことで、より子どもに響き「また行ってみよう」と思えるようになることが大切になります。
例えば通所したらシールを貼る、シールがたまったご褒美が貰えるなど「ごほうびシール」などを使うと、頑張りが視覚化し「より頑張ろう」と思えます。
詳しくは、下記のリンクの「ABA(応用行動分析学)を児発管が徹底解説」の「2-2 ABC分析」の「①強化」を参照してください。
1-3 保護者様も一緒に乗り越える
敢えて悪い言い方をしますと「子どもは楽な方に流れる」というのは忘れてはいけません。
「なんでも許されて王様でいられるお預かりの事業所」と「子どもの将来を見据えてしっかりと療育を般化させようとする事業所」子どもはどちらを「楽しい」と言うでしょうか?
子供の意見や気持ちを聞くことは大切ですし、それを省いてはいけませんが「子どもが決めたこと」と子どもの責任にするのは、私は難しいと思います。
私の考えでは、保護者様は「事業所と上手に連携・協力をし、本当に必要なものを子どもに提供する」と、同時に「子どもを良い意味で誘導して欲しい」と思っています。
「可哀想かも」「本当にこれが正しいのか」と思うことはあると思います。しかし「もっと現状が分からないのは子ども自身」ではないでしょうか?
「上手く誘導する」のは中々バランスが難しくて、私の経験上でも「帰ったらお菓子買っとくからね」「おもちゃ持って行っていいよ」「(送迎の)車でYouTube観せてもらいな」など、間違ったアメの与え方もあると思います。
その時点で「すでに子どもが王様になっている」事に気付き、通所が生活習慣にまで「般化」するまで、子どもの為に「保護者様も耐える覚悟」は必要だと思います。
2 まとめ
いかがだったでしょうか?
子どもが通所を嫌がった時の考え方、対処が分かってきたかと思います。
保護者様がアメとムチを上手く使うことも重要なスキルですが、何よりも大切なのは事業所との連携です。
日本人は「1言ったら10理解して」「技術は見て盗め」「阿吽の呼吸」など、しっかりとした説明や質問を嫌う節があります。
それが良い時もあるのですが、この場面ではしっかりと意思表示をして「同じ方向を向いている事業所」なのか「話を聞いてくれる事業所」なのかを判断し「子どもにとって有益な事業所」なのかを見極めるべきだと思います。
保護者様にはその「権利」があり、また、それが「義務」だと、私は思います。
「どうしても質問するのが苦手」「直接は言えない」という方は、相談支援事業所などを利用し、相談員さんに同行してもらうという手もあります。
地域や状況により、上手く機能していないところもありますので、自治体や相談支援事業所に、まずは電話で聞いてみるといいでしょう。