教員資格で放課後デイ働いていますが、現場ではあまり役立たない資格のような気がします。
上記のコメントは、私のブログに対して実際に頂いたコメントです。
では「なぜそのように感じたのか」「実際はどうなのか」を考えて見たいと思います。
1 療育と教員免許
細かな話しをすると、保育士は「厚生労働省」で、教員免許は「文部科学省」となります。
「養護教諭」や「幼稚園教諭」は文部科学省だったり「幼保連携型のこども園」なども進められていることもあり、だいぶ線引きが薄まった気はしています。
私がこの療育の業界に参入した頃は、今よりもまだ整備されてなかったこともあり、幼稚園教諭の免許を持っていても児童指導員に換算されなかったのを覚えています。
1-1 障害児通所支援事業
冒頭の説明で資格の住み分けはお分かり頂けたと思いますが、放課後等デイサービスや児童発達支援の総称である「障害児通所支援事業」はどうでしょうか。
もうお分かりだと思いますが「厚生労働省」の管轄ですね。そんな経緯もあってか、やはり「幼稚園教諭」と「保育士」の考え方や指導法にズレが出てくる場合があるように感じます。
現場の体感では、最近の若い世代では「幼保連携型こども園」などの増加によってか「保育士」と「幼稚園教諭」を両方取得している人が多く、柔軟になってきているように感じます。
①保育士と幼稚園教諭の違い
私の今までの経験や見てきたスタッフをざっくりまとめると「保育士」は「生活」「療養」で、「幼稚園教諭」は「躾」「教育」の傾向が強かったように感じます。
本来「療育」とは「療養」と「教育」を合わせた造語なので、バランス良く取り入れるべきだと考えています。
お互いに凹凸があるなら、それを合わせてより良い事業所を作るべきなので、この資格は「使えない」「働き難い」と、スタッフに感じさせてはいけないと私は思います。
②単位の違い
正直なところ、この理由が大きく影響していると私は思います。ちなみに、私が保育士免許を取得した理由の1つでもあります。
この通所支援事業に参入した当時の私は「介護福祉士」と「幼稚園教諭」しか持っていなかったので「保育士さんの言うことは正しいこと」と偏りかけた事もあるくらい、スタートから保育士を高みに感じていました。
報酬改定などで変わっていきますが、保育士の方が単位が高く設定されており、保育士の実務経験が5年以上の場合は更に「専門職員配置加算」も付けることが出来ます。
例えば私は以前、中高生向けの学習に特化した放デイに務めていました。学習特化なだけあって中高の教員免許を持っていたり、塾講師上がりの先生が中心となって活躍していました。
そんな状況でも、保育士の単位の方が高く、そこが揺らぐことはありません。決められたルールの中でおこなう事業なので文句を言いたい訳では無いのですが、当時「不思議だなぁ」と感じたのを覚えています。
昨年末に「2類型」の発表があり、まだ詳細は検討していますが、過度な特化型(塾のような習い事系)は淘汰され、整備されるようですね。
2 まとめ
いかがだったでしょうか?
療育ラボにご意見下さった方のように「教員免許はあまり役に立たない」と思ってしまうのか、私なりの考えを書いてみました。
また、本来は「療養」と「教育」は共存すべきことであり、それが出来て初めて「療育」となることがお分かり頂けたかと思います。
と、同時に制度などの問題でどうしても保育士の優位性が高く、保育士中心で回ることが多くなってしまいます。
「養護教諭」や「特別支援幼稚園」などもあるように、教員だから何かが足りない、出来ない訳ではなく、支援にあたって「必要な準備」と「向上心」を持って積み重ねていくことが大切だと考えています。
あと忘れてはいけないのが、いつも言っている「チームワーク」と「適材適所」です。
それが「凹凸を合わせる」事だと思います。「保育士」も「教員免許取得者」も同じチームの仲間です。
それぞれの能力が活きる場面で、その能力を存分に発揮して欲しいと思います。