子どもの「表現する能力」と「問題行動」の事例│コラム

先日、支援中に利用児童に噛まれてしまったけど、噛まれる方が悪いと言われてしまった。

運営者:田中
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上記は、先日実際に相談があった内容です。言われた内容は現場の管理者ではなく、大学の先生にそう習ったという事でした。
それでは今回は事例を使って、その考え方と問題点を整理していきましょう。
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1 噛む理由は何か

まず問題行動を見つけたら原因を探しましょう。今回の事例では「みんなで遊んでいる時に、急に他の利用児童の髪を引っ張ろうとした(他害しようした)から抑えた。そしたら噛みつかれたので、びっくりして手を引いてしまった」と言う報告でした。

1-1 子どもを守ったのに支援者が悪い?

私の個人的な考えでは「他害をさせなかったそのスタッフの行動は悪くない」と思います。その状況ではそうするしかなかったでしょう。
しかし、そうなる前に何か出来なかったのか?直前まで気付けなかった所に問題点があるように思います。「見守りに適切な配置」は出来ていたのでしょうか?

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誤解しがちなのでハッキリ言いますが「最低人員の確保が適切な人員配置」ではありません。

1-2 噛むという表現する子どもが悪い?

これもまた違います。過去の記事でもお伝えしたように、問題なのは「行動」であって「本人」ではありません。
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そこの意識を間違えてしまうと「なんで人を噛むの!悪い子だ!」となってしまいます。

 

その結果、子どもがどうなるかは火を見るより明らかでしょう。

1-3 問題行動を修正してこなかった保護者が悪い?

これは言うまでもなく違いますね。日々の生活の中で懸命に向き合っている方がほとんどだと思います。また、身内同士だとお互いに甘えが出たり、過度な期待が逆に足枷となったりしてしまいます。
中にはネグレクトに近い保護者様もいらっしゃいますが、その方にはきっと他の支援が必要なのでしょう。
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例え、保護者様が間違ったアプローチで療育をしていたとしても、保護者様を責めることは出来ません。プロでもないのに我が子を思って頑張っている方がほとんどなんです。

 

「そのために私たちがプロがいるのだ」と、逆に誇りに思って欲しいです。

1-4 そんなことを言う大学の先生が悪い?

もう皆様お分かりだと思いますが、それもまた違いますね。私はその大学の先生の事を知りませんが、先述したように「その前に出来ることは山ほどあったはず」です。
その中で直前まで何もせずにいたということは「支援が足りていなかった」のは否めないですね。
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適切な人員配置」「3手先を読む」「周囲を常に見る」「問題行動のある児童を共有し意識しておく」「制止の方法」パッと思いつくだけでもこれくらいは出てきます。

 

わざわざこのブログをお読みになる程、熱心な皆様なら瞬時に思いつくと思います。
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2 どうすれば良かったのか

結局誰が悪かったの?どうすれば良かったの?と頭の中に疑問符が飛んでいますよね。この章では「誰がなにを改善すればいいの?」という所を分かりやすくまとめていきましょう。

2-1 誰も悪くない

「はぁ?」「元も子もない」と思われたでしょうが、この話に「悪人」や「怠惰な人」は出てこないんです。そういう意味の「悪くない」であり「改善点」はたくさんあります。

①運営を見直す必要性

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人件費削減なのか、募集が来ないのか分かりませんが、そこは運営サイドの問題でしょう。それが出来るように税金で9割以上負担しているわけです。言い訳は出来ませんよね。

②情報の共有

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毎朝、当日利用児童についてミーティングをしていますか?どんなに忙しくても問題行動の確認をする時間は確保保出来るはずです。
それすらも出来ないのであれば、それは異常事態です。これもまた運営を見直す必要があるでしょう。

③保護者様や関係機関と連携を取る

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療育をしていると「うちでは出来るのに学校では出来ない」という事がよくあります。しっかりと支援をしていれば本人も意識出来るけど、支援出来ていないと子どもも気付けない状態ですね。
上手くいっている支援は共有すべきなのです。その支援は「当事業所の財産ではなく、その児童の財産」だと思いましょう。また、どこでも同様の支援を受けられる事での相乗効果も期待出来ます。

④研修で個々のスキルアップ

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「常に周囲を見渡す」「制止の方法」などは、朝のミーティングで言われて「ホイ」っと出来る事ではありません。自分含めて周囲が足並みを揃えて実施し続けることで身についていくものです。

 

そのためには定期的な研修がとても役にたちます。

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さていかがだったでしょうか?
今回の事例は分かりやすく、色々な角度から学べたのではないでしょうか?
支援者であれ、保護者様であれ、当人であれ、個人の足りないところを責めるのではなくて、適正な運営をして皆で向上心を持って支援に望めば、難しい事ではありません。
子どもとの将来を見据え、我々も子ども達と一緒に日々成長していきましょう。
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