家庭で楽しみながら出来る療育はないかな?
家でトレーニングしようとすると嫌がられちゃう…
上記のようなお悩みをお持ちの方へ、児発管として提案させて頂きたいのが「クッキング」です。出来上がったら「食べられる」という目標があるので、最後まで楽しく取り組めます。
多少の準備が必要ですが、大したことはありませんので安心して読み進めてください。
1 クッキング
ここでは「クッキングが療育?」「クッキングの何が療育になるの?」という部分を説明していきます。
この部分は知らずにやっていても「療育」にはなりますが、支援者がそれを知っていることで「アプローチの仕方を変える」「ここは外せない」といったポイントが分かり、療育をスムーズに進められます。
1-1 クッキング療育のポイント
ここでは「美味しく料理を完成させる」のではなく「療育」としてのポイントを、具体的に3つにまとめて紹介していきたいと思います。
楽しみながら行えることが一番のメリットなので「子どもの好きな料理」で「工程が単純なもの」「作業の中に触覚や、色や形状の変化があるもの」などの「料理」という観点以外でも楽しめる特徴があるといいですね。
①工程表を作る
レシピを覚えたり、段取りを考えることでワーキングメモリのトレーニングになります。また、工程表と手元を交互に見ることにより、板書が苦手な子のビジョントレーニングにもなります。
工程表は工程を箇条書きにしたもので、簡単なレシピを想像して頂けると分かりやすいと思います。詳細を書いてしまうより「手を洗う」「やさいをきる」など、次に何をするのかを分かりやすく簡潔に書きましょう。
イラストや写真があるとより分かりやすくなります。
②微細運動をする
材料をつかむ、混ぜる、こねる、切る、ちぎる、つぶす、注ぐなど、料理にはたくさんの微細運動(手先の運動)が含まれています。それらの微細運動のトレーニングになることはもちろんですが、それらの感覚を刺激することで「感覚統合」の要素も期待できます。
「楽しそうだけどまだ包丁を持たせるのは怖い」という方は、子ども用の包丁セットなどもありますので、検討してみてもいいかもしれません。
③食育にもなる
私は常々「療育は将来を見据えたものであるべき」だとお伝えしていますが、例えば「一人でカップラーメンが作れるようになったから、お留守番出来るようになった」も将来に向けての成果だと思います。
もっと先のことだと「一人暮らしが出来るようになる」なんてことにも繋がっていきます。衣食住の最も生命にかかわる部分なので、楽しみつつ伸ばしてあげたいですね。
2 まとめ
ここまでクッキングが、どう療育に役に立つのかを見てきました。難しく考えすぎないで楽しみながら出来る工夫をしましょう。家庭で出来て、しかも大好きなお母さん、お父さんと出来るとなれば、子どもはきっと大喜びでしょう。
楽しみつつ、自然と「微細運動」や「ビジョントレーニング」「感覚統合」などのトレーニングになっている「クッキング療育」皆様もぜひ参考にしてみてください。
全工程を子どもとやらなければいけないわけではないですし、初めのうちはポイントで「お手伝い」感覚で始めて見たり、カップラーメンやゼリーから始めてみたり、負担にならずに楽しめることが重要です。
その際に「お手伝い」をお願いしたら、たくさん褒めてあげましょう。積み重ねていけば、自己肯定感が上がり、きっとまたお手伝いをしたくなります。
今回は、具体的なレシピなどは記事に載せませんでしたが、またおすすめのクッキング療育の記事も「療育プログラム」のカテゴリーで更新していきたいと思います。少しでも皆様の参考になり、ご家庭に笑顔が増えると幸いです。